晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

ガン、と頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。


私の中で引っかかるところがあるから、知られたくない……?

……違う! そんなことない!

第三者にリョータとの関係を知られたくなかったのは、この心地いい関係を独り占めしたかっただけ。

そうだよ! 小さい頃、秘密基地を作って大人達に内緒で足繁く通った。この気持ちは、あの時と似ている。


何も引っかかってなんかない。

正体を明かせない理由がリョータにはあって、それでも私とコンタクトを取ろうとしてくれたんだ。

何か、大きな理由があって──。


「ずっとおかしいと思ってたんだ。突然読書にハマったり、俺を置いて先に帰るようになったり。何かコソコソやってると思ったら……まさか得体の知れない男と文通なんてしてたとはな」

「得体の知れないって……何よそれ! リョータのこと、そんな風に言うのはやめてよ!」


あぁ喉が渇く。水が欲しい。