晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

友達と向かい合って繰り広げるような他愛もない会話を、字を通じて行う。

そんな不思議なやり取りも、私の中でいつの間にか慣れ親しんだものになっている。

色んな話をして、弱さを曝して、強さを貰った。

そして、そこに確かな信頼が芽生えた。

リョータにだったら、なんでも言える気さえする。


だけど。


「…………」



私が今抱く疑問を、康介にしたのと同じようにぶつけてもいいのだろうか。

言葉を紡ぐべく握ったペンの先は、便箋の上で静かに息を潜めている。


……後悔したくない。変なこと言って、困らせたくない。

どれだけ慣れ親しんでいても、やっぱり直接話すのとは違う。会話に、タイムラグが生まれる。

小さなボタンの掛け違いが生まれるかもしれない。それが大きなすれ違いになって、いつかリョータが離れていくかもしれない。

疑問を生んでしまっても、すぐに説明できないコミュニケーションのかたち。