「…意外です」 小さな声で言ったつもりだろうけど、教室の半分ほどの狭い倉庫の中では聞こえてしまう。 「何が?」 「緑川さんってもっと女の子らしくて、真面目な人だと思ってました」 「え?」 「真逆でしたね。女の子らしい人だったらここで泣いてますよ」 「泣いてもどうにもならないし…」 「クールなんですね」 「クールだったら人に水なんてかけないでしょ」 「あぁ、あれですか」 数日前の惨劇を思い出してアコちゃんがクスクスと笑った。 「冷たかったなぁ…」 「それはもう許してよ…」