たくさん押し付けられたポケットティッシュを俺のポケットにねじ込みながら彼は言った。 「例えば、彗月が泣きそうだったら俺も助けたいと思う、でもそこに恋愛感情はない。後輩が可愛いから助けたいと思う」 「琥珀さんは俺が間違っていると?」 亜湖と接するうちに薄々感じていた微妙なズレをうまく言い当てられてしまった。 むしろ、付き合うと決めた瞬間からおかしい気はしていた。