「そんなことはどうでもいいんだよ」 「はぁ…?」 そういうわりには、のほほんとした態度で俺を連れて歩きだした。 「彗月を誘拐したんだよ?ほら、怒れよ」 「誘拐犯はそんなこと言いませんよ」 「好きな子が他のやつと笑っててムカつかないの」 「茜ですよね?別に…後輩ですよ?」 「あ、好きってところは否定しない」 「好きですよ?昔からずっと。だって俺達親友ですから」 高校でも背が伸びた俺はほとんど琥珀さんと同じ身長になっていた。 だから、ため息をつく彼の横顔がよく見える。