会計を済ませると彗月の姿はなかった。 さっきまで待っててくれたのに。 「凛」 商品ラック越しに手を振って俺を呼び止めたのは懐かしい先輩。 茜と血が繋がっているのにどうしてこうも違うのか不思議でならない。 たおやかに微笑む姿は洗練され、さらに綺麗になった。 男の、しかも年上の先輩に綺麗というのはおかしい気もするが琥珀さんは綺麗という言葉がしっくりくる。