「助けたわけじゃないんだよ」 「…何を仰ってるのか意味がわかりません」 拒絶しても、払いのけてもこの人は私に手を差し伸べる。 「何て言うか…助っ人?」 「すけっと?」 「一対大勢ってずるいでしょ、一緒に戦ってみようと思って」 「即逃げましたよね」 「逃げるが勝ちだよ、それにアコちゃんの泣き顔は見たくなくて」 ぷにっと、私の頬を触り口角を指でつついた。