廊下ですれ違う生徒たちが、とんでもないものを見たとばかりに二度見してくる。
「見られるから手離して」
「見せつけてるから駄目」
そうか、この公開羞恥プレイは白鳥の趣味だったか。
「何か俺に対して失礼なこと考えたね?」
「別に…そんなことないよ」
このまま相合傘なんてしたら、それこそ好奇の視線に晒される。
さらに言えば、学校のゴシップネタにされてしまう。
「白鳥…いい加減に」
してよ、と手を引いたのに引き寄せられたのは私だった。
バランスを崩して白鳥の腕の中にお招きされる。
「え、ちょっとなに?」
目を面白そうに細めた白鳥は、ないしょ話をするように手を口に添えた。

