「緑川先輩!話聞いてますか?」


「えっ?ごめん」


「やっぱりー、先輩たちは何組だった?って話ですよ」


「体育祭の?えっとね、青組」


「わ!ほんとですか?あたしと一緒です!」



顔を明るくしてはしゃぐ彼女の名前は、百田遊(ももたゆう)。

遊は私たちの一つ下の学年で2年生。


彼女は学校の誰もが知る有名人。

なぜなら、この長い歴史がある学校の校則を変えたから。


ある意味学校の歴史に名前を残してもおかしくない。


高校でメイクが認められるケースはまず少ないと思うけど、遊はそれを認めさせた。


というか、全力で丸め込んだ。

先生と生徒会を。


_______薄化粧はレディーなら常識ですよね?私達は今から社会に羽ばたく基礎を作らなければなりません。


全校総会の熱弁は記憶に新しい。


でも遊は元が可愛いからね。そんなに気にしなくても平気だと思うけど。


そんなことより、変な男に引っ掛からないかすごく心配。