「アコが言っていいんですか」


「ああ」



阿吽の呼吸とはいかなくても、この短いやり取りで意思疎通ができる私達はそれなりにいい恋人同士だったのかもしれない。



「アコと別れてください」




「わかった」


あれ買ってください、わかった、のような軽いノリで私達の奇妙な関係は終わりを告げた。


別に好きでも何でもないと思っていたのに何で涙が止まらないんだろう。


「アコ…青山さんのこと二割くらいは本気で好きでしたよ」


「俺も二割くらいは本気だった」


青山さんはくしゃりと笑って私の背中をトンッと軽く押した。