びっくりして緑川さんを見つめると意外にも真剣な顔をしていた。
「今日は人がいても居なくてもわからないし…いいよ、行っても」
「本気ですか？」
前々から思っていたが、この先輩はそこまで真面目じゃないらしい。
「冗談を言ってるように見える？」
ふわりと笑った彼女には、隠し事や後ろめたいことが全てバレているような気がしてならない。
「…先輩は怒らないんですか？」
「学校をサボること？」
「青山さんよりも白鳥さんを優先させていることです」
時と場合によるでしょ、と言われてしまえばそれまでなのだが彼女は私の言いたいことを察してくれた。
