「アコちゃん…大丈夫?」 「別にアコは何ともありませんので…」 緑川さんは親切だ。バカみたいに。 アコは青山さんの彼女なのに他の男の人の心配をしている。 普通だったらその事について突っ込んで聞いてきてもおかしくないのに。 何も聞いてこない。 アコと青山さんがただの彼氏彼女の関係じゃないことは薄々感づいてるのに。 「ねぇ、アコちゃん」 「なんですか」 アコよりも十センチは高い彼女が膝を曲げて耳打ちをした。 「抜けちゃう?」 「えっ…?」