なぜ今とっさに嘘をついてしまったのか。 俺も彗月も今日はおかしな事が多すぎてわけわからない。 「あの…凛さん、腕をどけて頂けますでしょうか…」 「あ、わり」 先に抱きついてきたのは彗月だが、抱き寄せていたのは俺の方だったようだ。 体全体にかかっていた重みがなくなるのが少し惜しい、などと考えてしまった俺は頭がおかしいのかもしれない。