あてはないが、南校舎の教室をすべて見回る。 (ちょっと取りに行ってくるね) あの時最後に交わした言葉は… 体育館の倉庫は掃除の時間以外は基本的に鍵がかかっている。 何かの拍子にそこに閉じ込められてしまったとしたら? そう思ったら、そうとしか思えなくて。 いじめ、妬み、嫉み、嫌がらせ… 人当たりのいい彗月に限ってそんなことはない… 考えたくもないもう一つの不安要素を頭の中から追い出して、職員室へ鍵を取りに向かった。