ついに、ナナの誕生日が来てしまった。
ナナは今日、十六歳になった。
「ナナおねえちゃんおたんじょうびおめでとう!!」
「ナナおねえちゃん、おめでとう!!」
手を叩き、きゃっきゃとはしゃぎながら翔と舞衣はナナの誕生日を祝う。
「ありがとう!」
ナナが笑顔で二人に言う。
私は、部屋の隅でそのようすを見つめているだけ。
だって、十六歳の誕生日だよ?
美佳ちゃんは、十六歳の誕生日の次の日に殺された。
美佳ちゃんと同じように、ナナも明日…殺されてしまうかもしれない。
そう思うと、祝う気になんて、とてもなれなかった。