私の彼。

振り返ると、叶汰さんがいた。

「か、なた……さん。」

やばい。見つかった。さっきのもばっちり聞こえてたよね!?

「ここから出て何処にいくつもりなのかなー?」

叶汰さんは責めるようでもとがめる様子もなく、普通に問いかけた。


この屋敷から脱走するって…ばれてますよね。

作戦失敗かぁ……。

なんて呆気ない最後なんだろう。