「天!おっはよ!」

「あ!智恵!おはよ!」

廊下を歩いていると私の友達である佐久間 智恵(さくま ちえ)が声をかけてくれた。
智恵は黒髪のロングでお人形さんみたいに可愛いの!
智恵とは中学生の時に知り合ってそれから、大切な存在になったんだ。

そんなお人形さんみたいな智恵と真逆に、私 城崎 天(きざき そら)は普通にいるような女子高生。
肩までの長さの髪の毛の先は癖っ毛なせいで、クルクルしていて、体型は標準。
顔は…その話はやめとこう。

智恵と高校も一緒で、二年生初日の今日クラスを確認するためクラス表が貼ってある所まで歩いていた。

ーとんっ

誰かと肩がぶつかり私は智恵から視線を逸らし、ぶつかった相手の顔を見た。

「すいま…あっ…」

目の前には校内の王子様的存在の矢川 悠真(やがわ ゆうま)君。
私は関わることのない人だと思ってた。

初めて本物を見たなぁ…。

背が高い…軽く185は超えてるんじゃないかな?

…って、ボーッとしてる場合じゃない。
ぶつかったんだから謝らないと。

「ごめんなさい!」

「…別に…」

そう一言いい去ってしまった。

「ちょっと!矢川君じゃないの!
やっぱりイケメンねぇ」

智恵は目をキラキラしながら矢川君の後ろ姿を見つめている。