大切なモノが出来ると



周りが見えなくなる。


ムカついて苦しくて


仕方なかった。


暴力はいけない…?


大切な人が目の前で犯されそうになっていたら理性を失う様に



殴りたくなるだろう。


怒りの矛先に……………


傷つける相手がすぐ目の前にいたら



殴らないなんてありえない。



「れっくん!!!!!


私………大丈夫だから」



ハッ、として気づく。

俺の手につく相手の血を………

優瞳を見て相手の男を見て、罪悪感を感じた。


傷つけたのは男で

傷つけられたのは彼女で


助けたのは、俺なのに……………


悪かったのは、俺なんぢゃないか、と………



思わずには居られなかった。


「……………」


そんな血だらけの俺の手に触れて

彼女は何も語らず


でも確かに語った。


彼女の瞳が


『大丈夫だよ』


そう言ってる気がして


俺は、震える手を握りしめた。