「立てるか?」

まだ、立ち上がらないでいた私の肩を支えてくれる。


「ごめんね、退院の日なのに、迷惑かけて」

「大丈夫だよ、これからデートするんだろう。

お守りしますよ、お姫様」


跪き、私の手の甲にキスを落とす。


それが様になってて恥ずかしくて俯く。


「お願いします、王子様!!」


俯いた顔を上げて微笑むと、今度は廉くんが赤くなった。


顔を手で覆う。


「照れてるの…?」

なんだか楽しくなって手を外そうと心見る。


けれど…………


その両腕は壁に抑え付けられていた。