「ゆゆちゃん、歩くの早いよ。疲れちゃった」

息を切らしながら入って着たのは桜木 流愛。


可愛い系のお嬢様。

突然の訪問者を唖然とする俺。


「ごめんね、栗栖くん。優瞳と二人だったのに、お邪魔だった?」

わかって言ってるのか、イヤミに聞こえるのは俺だけか。


「いやいや、二人に会えるなんて光栄だよ。ぢゃあ、俺は、これで」


去り際が肝心なんだよ。


「噂の瞬くんは腹黒よね」と黒い笑みで呟くゆゆに気づかない。