がチャリ、とドアが開いた。



誰かなんて言わなくても分かる。


「お父さん、私お父さんの言ってた宝物、分かったよ。

この写真だよね」



振り向かないまま、聞いた。


今振り向いたら涙が出そうだったから。



「そうだよ。廉くんのお父さんお母さんにも、協力してもらったんだ。



あちこち電話を掛けたり昔の写真を集めたり大変だった。



それでも、誤解を解きたくてね。


廉くん、君は悪くなかった。


誰も悪くなかった…………


今までつらい想いをさせて済まなかった。


それと、優瞳を、覚えてくれてありがとう」



いえ、と廉は泣きながら頷く。



その瞳は、儚げに見え…微笑む。