小走りで駆け寄る優瞳。


「廉くん、おはよ。あのね、お父さんが私のお母さんの、遺した宝物を探して欲しいって言われたの。


廉くんも一緒にって。

それで、パズルのピースの謎解きしてて協力してくれない?」


ポケットから五枚のピースを取り出すと廉くんの机に置いた。


「いいよ、ぢゃあ昼休みに屋上来いよ。


一緒に考えてやる」

はにかむ笑顔。


初めて見るはずの、その顔に一瞬心がときめいた。


その気持ちをとりあえず飲み込み、席に戻る。


ちらほら浮かぶ廉くんの表情。


私…………どうしたんだろう。