「ぢゃあ、そろそろ帰るね。お邪魔しました。行こう流愛」


「お邪魔しました」

もう時刻は、20時。


バイバーイ、と手を、振るゆゆ。


車に乗り込むと、流愛がまた手のひらに人を書いては飲み込む。


「あはは、また書いてる」

「だってすいません、送っていただいて」

お父さんはミラー腰に、流愛を見て笑う。


大丈夫だよ、と笑った。


流愛の緊張が、ほどけていくのが分かる。


車の軽く雑談をして15分後には流愛の家に到着。


「おっきい家。つーか、城?流愛ん家、何やってる家?」


思わず漏れた本音。


「普通の会社経営してるだけだよ。バイバーイ優瞳ちゃん」

流愛は、家に入ってく。


その背中が消えてくまで眺めていた。