「お父さん、この文字なんなの?」


お父さんは、にこり、と微笑むと

「これが、お母さんの、遺した宝物のある場所だよ。みんなで、考えるんだよ。ぢゃあ、わたしも、ビーフシチューをいただくかな」


やけに機嫌のいいお父さんと、戻ると手元を見ていたゆゆが駆けてきた。

「なにそれ………?パズルのピース?」

流愛も、覗いて見ては首を捻る。



「お父さんが、私のお母さんの、遺した宝物を探して欲しいって。


これが、ヒントだって」

「いやー、ビーフシチュー絶品ですね」



ビーフシチューを、頬張る父親を横目にため息が漏れる。

「あっ、優瞳。廉くんにも、ピースを見せて探してもらってな」


一体、なんなの?

まどろっこしいヒントまで作って、教えてくれたらいいのに。


「それで、お母さんの、遺した宝物見つかるの?」


見つかるよ、と笑う。

ますます分からず、雑談に紛れこの話は終わった。