「ビーフシチュー美味しいですお母様」


お母様って…流愛。


「流愛チャン可愛いわ。ゆゆのお嫁さんになって」

おばさん…

ゆゆ、男かよ。


楽しい団欒。


ピンポーン。


鳴り響くチャイム。


「あっ、お父さんかも。私出まーす」

私は、立ち上がって、玄関に向かった。


がチャリ、と扉を開けたらお父さんが立っていた。


「やっぱり、お父さんだ。今ね美味しいビーフシチュー食べてたんだ。それ…でね、どうしたの?

入らないの?」

なかなか、玄関に入って来ないお父さんに首を捻る。


「お母さんの、遺した宝物を探してくれないか?」


発した言葉の意味を考える。

お母さんの、遺した宝物………?