アルバムを、捲ってく。


生後6ヶ月ぐらいの私達。

3人手を繋いで昼寝してる。


私の手を、掴む廉くん。


小さな小さな手の廉くん。

本当に居たんだね。

私の知らない貴方。


「まだ、見ても廉くんのこと思い出せない。


けど、懐かしい気持ちになる。廉くんは悪くない。


誰も悪くなかった。

私…ー 言えなかった。」


「大丈夫よ、伝わるから。


これから、伝えて行けばいいんだよ」

うん、と笑いあった。


コンコン。


ノックされ、開けるとゆゆママがいた。


青い顔をして立つ姿にビックリする。


「どうしたの…?」


ゆゆが驚いた顔をする。


お茶とお菓子を持つ手が震えてる。


「廉くんって、柊 廉くん?」

そうだけど、とゆゆ。



同じクラスなの、と付け足す。


「帰って来てたのね。ずっと探してたから。見つからなくて、伝えたかったのに………


廉くんは、悪くなかったって。


誰も、悪くなかったって。言わないまま、いなくなったから………」



おばさん…………


泣きそうな顔をしているよ。


おばさんの横顔が、切なそうだった。