「俺が、あの時…あそこに居なければ…

優瞳の母親が俺に気づかなければ、あの事故は起きなかった。


優瞳の父親も、責めなかった。だから余計に苦しくなる。


優瞳…

ごめんな。

ごめん………」


あたしは、知ってた。
物凄い音にビックリして、近くにいたんだ。

幼い時の記憶は曖昧だったけど、あたしはお母さんに分かる年になって聞かされた。


事故のショックで優瞳は幼なじみの廉くんを覚えてないこと。


廉くんの両親は、事故後逃げるように引っ越ししたこと。


責めなかったことで、余計に居られなかったんだろう。


「………私。今何とも言えない。ごめん。


けど、私のこと覚えててくれてありがとう」


と言った。