10時過ぎに家を出た私達は、お花屋に寄って行くことに。



お母さんのお墓に手向ける花束を選ぶため、二人で小さな花屋さんに入った。


家族だけで切り盛りしてるような小さなお店で店員さんは、30代後半ぐらいの女の人だった。

品だしをしてるのは、18歳ぐらいの女の子。


「いらっしゃいませ。何になさいますか?」

「えっとお墓参りのお花を。イメージしたお花を持っていきたいんです。


私のお母さんです。

最後に見たお母さんは、白いワンピースを着ていて優しく笑う人でした。


それに、合うお花を下さい」


店員さんは、目頭を抑え微笑む。


「つらかったね、大丈夫だよ。


なんだか悲しくなって来て、やっぱりユリの花が合うと思うわよ。


包んであげるわね」


ガラスのドアを空け、ユリの花を数本出した。
 
それを綺麗にラッピングして、差し出す。


お金を出そうとした、優瞳に店員さんは、微笑む。


「お金はいらないわ。


また、来てね」

綺麗な花を受け取り微笑んだ。