楽しかったデートも、終え普通の日常が戻ってきた。


今日から、廉くんは学校に行く。


休んでる間のノートは、とってあるし朝も迎えに来る、といってくれた。


ただいま時刻…7:30。


朝食も食べヘアセットも完了し、後は廉くんを待つだけ。


「なんだ、嬉しそうだな廉くんとはうまくいってるのか」

ニコニコ嬉しそうな顔をしている私に、お父さんが聞いた。


「当然!迎えくるんだ」


さも当たり前の様なことを聞くお父さんに、笑顔を向ける。


嬉しそうに、自分のことの様に喜ぶ父を私は大好きだ。


母亡き後、一人で私を育てくれてる父を尊敬している。


「なら、良かったよ」


父の呟きが聞こえ…ピンポーン、とチャイムが鳴り響く。


「お父さん、廉くん来たから行くね。

行ってきます!

お母さんも、行ってきます!」


写真立ての中で笑ってる母に、笑いかけ足早に出てく。


一人、テーブルの上の湯のみをすすり…


「結希子、君の遺した宝物は………ー

わたしにとっても宝物で。


かけがえのないモノを与えてくれてありがとう」


呟いた………ー

優しげに、写真を見やる。