少女たちの選ぶ道


そもそも何故、優子がイジメられるようになったのか明確な答えを知ってるわけではないけれど、優子は昔から体が丈夫な方ではなかった。


だから体育は見学ばかりで代わりにレポート地獄を味わっており授業を受けた方が楽なのだが、体が弱いから教師から贔屓されているという馬鹿な勘違いがイジメの始まりだと私は思っている。


あと優子が色目を使っているとか…。だいたい中学生がおじさんに色目とか使うなんて非現実的でドラマの見すぎ、恋愛小説や漫画の読みすぎだとツッコミをいれたいぐらいだ。


イジメは犯罪だなんて世間では言われているけど反抗期に差し掛かっている中学生にしてみればイジメはゲームのような遊び感覚。


どうせ死なないって思っているからこそ出来る自己満足な行い。


『沙紀まで標的にされちゃう』


私の身を心配してくれた優子はそう言って私の手を振り払ったのだ。


だから遠くからでしか助けられない。


この事実に長谷部先生は気づいておりイジメの主犯格を放課後呼び出したりしているけど効果は無し。


あからさまに優子を庇えば逆効果だとわかっているからこそなんだろうけど、ここの教師は腰が低い。


生徒を守れてない。

守ってもらえなかった生徒が最後にたどる場所なんて限られている。


私は、そんな危険な綱渡りを優子にさせたくはないけど本人が私を拒んでいたらどうしようも出来ない。


「今朝は何もされなかった?」


私と一緒に登校したからか教室では始業式が始まるまでは一応平和だったけど。


「…今日は何も」


「ふーん」


新学期そうそう行動は起こさないか。

二年生という学年に慣れてきたら、いつものグループが始めるんだろうな。


「死ねばいいのに…あいつら」


「…沙紀」


一度社会から見放されればいい。

誰も助けてくれない、孤独な世界に。


「アタシは大丈夫だから!!」


空元気でそう言われても説得力は無い


「沙紀に何かあった方が辛いから」


「優子…」


「弱肉強食なんだよね、学校って」


そうなのだろうか?

でも中学という隔離された世界に居るのだから、あながちまちがっていないのかもしれない。


「高校生になれば、何か変わるのかな」


「無理して変わったら自分で自分の首を絞めるだけだよ、優子」


「だけど、違う景色が見れるかもしれないじゃん」


違う景色…

高校生は、自由なんだろうか?


義務教育ではないから大人が子どもを駒のように操ることはない確率は高いけど先に社会に入っているからこそ押し付けられる“何か”がありそうな気がする。