「海斗……間違ってはないけどさ。それスッゴい……恥ずかしいから」
私は静かにツッコんだ。
……海斗って、こういう気恥ずかしいこと臆面もなく言ってのけるよね……ある意味羨ましいけど。
「お前……もう少し言葉を選べ、バカ……」
軽い溜め息と、煙草の煙を吐き出しながら紅志が力なく呟いたりして。
「そ?だってホントのことだからイイじゃん」
口を尖らせて拗ねてみせる海斗。
うわ~……久々に可愛い顔見た!
デレ~っとした顔で海斗を見ていたであろう私に、低~い声。
「……歌夜」
振り向けば、冷た~い視線を私に向けている紅志の顔。
………こわっ!!
――スタジオの一角だけ冷たい風、吹いてません?



