「なんでいきなりそんなこと?」
「んー?いや、歌夜は今高校二年だろ。二学期にもなれば進路のことだって考える、だろ?」
「あ……」
そういえば私来年は受験生だ、忘れてた。
バンド?それとも大学?
そういえばそんなこと全然考えてなかった。
「歌夜は、本気でプロになりたいのか?それとも……遊びってのもなんだけど、そういう軽い気持ちでやってるのか?」
「なっ!遊びなんかじゃないよ!」
父の“遊び”っていう言葉にカチンときた私は、思わず立ち上がって声をあげてしまっていた。
だって、遊び気分で海斗たちとバンドやってるなんて、今まで一度も思ったことない!!
「じゃあプロ目指してんのか?」
キッチンから私のいるダイニングテーブルまで歩きながら、父は訊いてきた。
「それは……」
言葉に詰まった。
正直、答えられなかったんだ。
本当にそんなことちゃんと考えたことなかったから。
ただ、4人でずっと、音を出していられればそれでいいと思ってたから。
私は手の中のグラスを、ギュッと握った。
手が冷たく、痛くなるのも構わずに。



