「っあぁ~っ!やっとくっついた~あいつら!」 紅志たちが帰った後の部屋で、ソファに身を投げ出した俺は、テーブルの上に置いてあるソレに手を伸ばした。 少しスロウなテンポで左右に振れ始めた。メトロノーム。 その針をソファに寝転がりながらボーッと見つめる。 カチ、カチ、カチ、…… 「くっつい、ちゃった……かぁ~……」 もう一度、溜め息混じりで呟いた。 ……まったく、素直じゃねぇよなぁ~二人とも。 「素直じゃねぇのは俺も一緒か……ははっ」 笑いがもれた、少しだけ。 それから短い、溜め息。