さっきのアレ、なかった事になってるのかな……?
むしろあれはあたしの記憶違い?
映画に夢中になって、現実と映画が混同しちゃった?
それはありえるかもしれない……なんて、本気でそう思えてくるくらい、星野くんは自然だった。
だってポップコーンの話題にまで触れたのに、彼は表情どころか態度も変えない。
それをどこか寂しく思ってるあたしは、星野くんの事が好きになってしまっているんだと思う。
ずっと星野くんの事が気になっていた。
授業中によく目が合うようになって、よく話しかけてくるようになってから。
あれ? もしかして、星野くんはあたしの事が好きなのかな? いや、うん。これはきっとそうに違いない。
……なんて、思うようになってから、あたしは星野くんの事を意識し始めていた。
ただ、あたしも星野くんの事を好きになるかは別問題だったし、彼に好かれて嫌だな、なんて思わなかった。
むしろ嬉しい、というか、優越感みたいなものは感じてた。
だけど、こんなに好きになるなんて、当時のあたしには想像できなかった。



