星野くんも初めこそ言葉にしたものの、その後は黙って映画を観入ってる。
そんな映画も終盤に差し掛かり、あたしは思い出したようにポップコーンを食べようと手を伸ばす。
量もかなり減ってきてたのと、映画に夢中になり始めてたせいで、伸ばした手はなかなか思ったものに手が届かない。
画面から目を外せばいいと分かっていてもあえてそれはしたくない。
暗い映画館の中、あたしは手探りでそれを探し出し、バケツの中に手を入れた時ーーあたしの手は何か暖かいものに触れた。
明らかにポップコーンなんて軽いものではなく、硬くゴワゴワした暖かな……。
あっ……。
冷静になって、夢中になっていた映画のワンシーンが終わり手元に目を向けると、そこにあったのは星野くんの手だった。
手の甲が触れ合ってる。
あたしは隣に座る星野くんに目を向けると、驚いた顔をして星野くんもこちらに目を向けた。



