それって……奢りじゃなくない?
あたしは思わず眉頭を寄せた。
すると星野くんは再びスクリーンへと顔を向けて映画の予告を観始めた。
シアター内のライトが消され、スクリーンもフルサイズへと引き伸ばされたのに気づいて、あたしは仕方なくお金を財布に閉まった。
……って、それ。
来月もデートしようって事、だよね?
その真意を問いただしたい衝動に駆られたけど、ここで話しかけるのはマナー違反な気がしてあたしは静かに口を閉じた。
映画を映画館で観るのは久しぶりだけど、映画の予告ってこんなに多かったっけ? なんて思ってたら、どうやら違ったみたい。
変なCMだなーって思ってたのは、すでに本編の始まりだったらしく、なるほど……さすがはミュージカル。なんて意味のわからない事を考えてるあたしの隣で、星野くんはボソリと一言。
「わー……これ、観んのか……」
……どうやら、星野くんのお好みではなかったみたい。
あたしは黙ってポップコーンを食べながら、引き続きスクリーンと向き合った。



