「ねぇねぇ」
あたしはケータイを見つめながら、片手を上下に振って星野くんを呼ぶ。
「んー?」なんて言いながら、星野くんはあたしのケータイを覗いた。
「明日の映画、ラブロマンスでもいい?」
「えー……」
星野くんはこれ見よがしに顔を顰めた。
「いやいや、あたしの観たいやつでいいって言ったじゃん」
「いいけど……」
今度はあたしが顔を顰める番だ。
ケータイから目線を外し、そばにいる星野くんを見やる。
思ったよりも近い距離に、ちょっと面食らいそうになった。
さっきまであたしの肩に頭を乗せていた、あの距離よりは離れてるけど、でも、起きてるか寝てるかの違いは大きい。
そう思って、あたしは再びケータイに視線を戻した。



