「星野くん、いいよ。あたし一人で待ってるから」
反対側のホームへと上がろうとする星野くんの背中に言葉をかける。
ここは星野くんの駅な訳だし、あたしの事は放っておいていい。
そういう意味で言ったのに、星野くんってばあたしの言葉を無視して、階段を駆け上がって行った。
「ほ、しの、くん!」
彼の速度に追いつこうと、階段を二段飛ばしで駆け上がってみるけど、寒さのせいで体が固まってるせいなのか、思ったよりも息が上がる。
これは本当に、本気で部活に取り組まなければ……なんて、思うほど、あたしの体力は落ちている。
「浮田 真依子はうるさいやつだ」
駆け上がったあたしに言った言葉はそれだった。
「一人で電車待つより、二人で一緒に待つ方が寒さもマシになるだろ?」
なんて意味のわからない事を言いながら、両手をポケットに突っ込んで、背中を少し丸めながらニシシと笑った。
「あたしの寒さの事を考えてくれるのなら、ジュース買ってくれる方がいいんだけどな」
なんて言うと「贅沢言うな」って言葉を吐き捨てられた。
だってそうでしょ?



