「……ん?」
あたしの顔をマジマジと見つめながら、星野くんは眉間にしわを寄せる。
「なんで浮田がここにいるんだ?」
「どっから寝ぼけてる? 一緒に帰ってるんだからそりゃいるよ」
失礼な奴だ。なんて思ってたら、星野くんはそうじゃなくて……って言いながら首を小さく振った。
「浮田の家、◯◯駅つってたろ? もう過ぎてんじゃん」
ああ、そっちね。
「うん、過ぎた」
「なんで降りなかったんだよ」
「降りれなかったんだよ。星野くんのせいで」
「俺?」
全然分かってない彼にあたしは片側の肩をマッサージしながら、突き放すみたいに言い放った。
「あたしのここ、寝心地良かったでしょ?」
小声で漏れた「あっ」という星野くんの言葉に、あたしは思わず笑いがこぼれてしまった。



