思わず頬ずりしたくなるような髪を撫でている時、電車はまた新たな駅に到着した。
ここはさっきの駅とは違って大きいせいか、人がたくさん乗って来た。
とは言っても、全員座席に着けるほどの人数だけど。
「……んんっ、」
乗車してきた人があたし達のそばにどかっと座り、その衝撃でなのか、星野くんは再び覚醒し始める。
あたしはとっくに手を引っ込めて握りこぶしを膝の上で作ってる。
さっきまで髪を撫でていた素ぶりは一切見せないようにして。
「んー……」
今度は起きそうだ。星野くんは目を擦り始めてる。
車内に人の気配が増えたのと、そばに人がたくさん座っているせいで、どことなく居心地の悪さを感じているのかもしれない。
でも本当にそろそろ起きてもらわなければならない。
だって次は星野くんが下車する駅だし、それに車内に人が増えたせいで、乗って来る人みんながあたし達を一度は見てくる。
はたから見たら、高校生カップルが戯れているようにでも見えるのだろうか……。



