「なんだよ、マジで答えようとするなよな。シラケるじゃん浮田 真依子〜」
なんて言って笑ってるくせに、ちょっと元気なくしてるじゃん。
笑い声がさっきより暗いよ?
ねぇ本当にさ、君はあたしの事好きでしょ?
どうしたら君は素直にそれを教えてくれるのかな?
それにさ、そもそもちょっと膨れたように言うのも計算?
あたしが星野くんの反応を試したように、君もあたしの反応を見ようとしてた?
「マジに答える訳ないじゃん。好きじゃない相手に結婚なんて言葉引き合いに出してくるようなつまんないジョークに誰がマジになるっていうのよ」
「好きじゃないけど、結婚はしてもいいかもな。10年くらい経ってもお互い結婚してなかったらだけど」
「はぁ? 理解できないんだけど?」
しかも好きじゃないのに結婚はできちゃうんだー。へー、星野くんってば大人なんだー。
なんて白々しく心の中で毒づいてみる。
「だってよ、そしたら浮田は浮田 真依子じゃなくて星野 真依子になる訳だろ?」
「まぁ、そうだね」
結婚したら、の話だけどね。
「したら浮田よりさらに語呂合わせ良くね?」
「知んないよ、そんなの。人の名前の語呂合わせとかほっといてくんない?」
マジで意味わかんないし。
星野くんって本当に何考えてるのか分かんない。



