「ほ、星野くーん……?」
耳打ちするみたいに小声で話しかけてみる。けど、星野くんはもう微動だにしない。
相当疲れてたのかな?
疑問に思いつつも、その気持ちはあたしにだって分かる。
外は寒いけど、電車の中は暖房が効いていてとても暖かいし、さっき肉まんを食べたおかげてお腹も満たされてるし。
さらにあたしなんて久しぶりに部活をしたせいでぐったりとした疲れを感じてる。
本格的に部活をしていた頃に比べて、今は全然と言ってもいいくらい部活に顔を出す程度。
体には乳酸が溜まってる感じがするし、明日はきっとどこかしら筋肉痛が来ると思う。
そんな事を考えてるうちに、電車は次の駅に滑り込みだした。
車内アナウンスや、ブレーキ音、そういったものにも星野くんは今回、一切の反応を示さない。
ここの駅は人気がないのか、誰も降りようとしないし、乗って来る人もいない。
扉が開けば外から冷たい空気が流れ込んできて、あたしの体をキュッと引き締める。
星野くんは寒くないのかな?
なんて思って視線を向けると、そんな事気にもならないって顔で眠り続ける彼。
その寝顔は幸せそうに見えた。
そして再び、電車は次の目的地を目指して動き出す。



