ほら、やっぱり。
ねぇ、星野くん。君はあたしの事が好きでしょ?
そんな熱を帯びた目であたしを見てるくせに、これもやっぱりあたしの勘違いだっていうの?
「どーやって?」
「なにが?」
「なにがじゃないじゃん。どーやって責任とってくれるのよ」
なんて言ったら、
「そーだな。そしたら結婚でもしてやるよ」
ほら、こんな風に言うし。
言いながらちょっと照れるようにハニカミ笑いするのやめてほしい。
なんかちょっと意識しちゃって、こっちまで照れるじゃん。
「そしたら浮田 真依子って呼べなくなるんだなー」
「なによそれ。そもそも星野くん、あたしの事好きじゃないんでしょ?」
さっきそう言ったのは君の方。
「なに? 不満? ってかもしかして、浮田こそ俺の事好きなの?」
「いや、別に……」
なんでそーいう方向になるかな。
あたしは別に好きじゃない。
というか、別に好きなんかじゃなかった。
でも、毎日何度も授業中に目が合ったり、何度もこうして絡んでくるから、ちょっと気になる存在ではある。
どんどん意識が星野くんに向いていく様子に、あたしはただ、戸惑ってるだけ。



