あたしは星野くんの隣を歩きながら、チャーシューまんをもぐもぐと頬張る。
でも、いつものようにはいかない。
いつもならこれくらいのサイズ、ペロリと食べてしまうのに、食べ終えるのには倍くらいの時間がかかってしまいそうだ。
「浮田 真依子は口、ちっさいな」
人が一生懸命食べてるところに、星野くんは意味のわからない事を言ってくる。
「普通でしょ?」
と、言いつつも、あたしは口元を隠しながらそう答えた。
「だって、食べるの遅いじゃんか」
「……ほっとけ」
あたしは最後のかけらをひと口で頬張った。
口の中がチャーシューの味でいっぱいになる。
肉汁が飛び出しそうになって、ふたたび口元を手で押さえた。今度は両方の手で。
「ははっ、フグみてぇ」
なんて失礼に笑う星野くん。
うるさいよ。
そう言いたいけど、今は口を開けれそうにない。
あたしは黙って、口の中のものを一生懸命噛み砕き、飲み込んだ。



