あたしは黙ってかじられたチャーシューまんに視線を落とす。
無残なまでに頭をかじられ、中身の具が見えているそれから、あたしのお腹を締め付けるような芳しい香りが立ち上っている。
部活終わりでお腹がぺこぺこなあたしは、それをかじろうとして、ふと思いとどまる。
これ、間接キスどころか……。
なにも考えなければどーって事ないものでも、あたしは考えてしまった。
それにより、ちょっと躊躇ってしまう自分がいる。
「食べねーの? さすがにもう冷えてるっつーか、むしろ冷めるぞ」
「いっ、今、感傷に浸ってたんだよ! 星野くんがあたしより先に食べちゃったから!」
なんて、嘘だ。
単に戸惑ってしまっただけ。
でも、星野くんが言うように、このままだと本当にチャーシューまんが冷たくなってしまう。
せっかく美味しいものが、美味しくいただけなくなってしまう。
そう思ってあたしはぱくり、とひと口頬張った。
星野くんがかじったところを少し避けるみたいにして。



