「ちょっ、なんで先に食べちゃうかなぁ⁉︎」
「浮田がもたついてるからだろ」
「もたついてた訳じゃないでしょ! あたしは猫舌だって言ったじゃん」
「なら、他の人に獲物を取られたって仕方ないな。世の中弱肉強食なんだぜ?」
目の上まである重めの前髪を片手でさらりと払いのけ、鼻に付く感じの爽やかさを見せつけて来るけどさ、なにカッコつけた感じで言ってくれちゃってるのか。
それならあたしは星野くんが食べてるピザまんを……と思って彼の手の中にあるはずのそれに目を向けると……。
「えっ、もう食べちゃったの⁉︎」
さっきまであったはずのピザまんは跡形もなく消え去っていた。
「残念だったな」
憎たらしい笑みでそう言う星野くんは、あたしがなにを考えてたのか分かってる様子だ。
白い息を吐き出しながら笑う星野くんは、空の上で光り輝く星みたいだと思った。
ただその笑顔は、今のあたしにとってちょっぴり憎たらしい笑顔だけど。



