星野くんが買ってくれたチャーシューまん。
それを両手で包むように掴み、あたし達はまた寒空の下を歩き出す。
「あったかーい」
「さっさと食わないとまた冷めるぞ……って、浮田は猫舌だったな」
「そっ。だからチャーシューの肉汁で舌をヤケドしない為にも、もうちょっとこうしてカイロの役目を担ってもらってから食べるの」
あたしが両手でほくほくしながらチャーシューまんを握りしめてたら、目の前に突然影が落ちた。
何事かと思う隙もなく、その影はあたしのチャーシューまんをパクリとひと口かじり去った。
まるでサメの映画でも観てるみたいに、それは突然やってきて、獲物を嚙みつけ、去ってった。
問題はその正体だ。
正体は血生臭い乱暴者のサメなんかじゃなく、コロコロと機嫌を変える、掴みきれない星野くんだった。



