好きだと思うんですがっ!?


注文を終えて、小さな袋に入ったほくほくの肉まんを握りしめた星野くんは、再びあたしの隣に立つ。


「決まったか?」

「星野くんは何にしたの?」


袋の中を覗き込むとあたしの鼻先をくすぐったのはミートソースとチーズの香り。


「この匂い、この色はピザまんだね」

「当たり。浮田もさっさと決めろよ」

「あたしはあんまんにする」


一番上の段にあるあんまんを指差しながらあたしは星野くんに目を向けた。


「豚まんじゃなくて?」

「なんで豚まんだと思うのよ。しかも、それを辞めとけって言ったのは星野くんじゃん」

「浮田は共食いもいとわないのかと思って」


はははっ、なんて笑いながら失礼なセリフを言った星野くんは、再びレジへと向かった。

あたしはその後ろ姿を憎々しく睨みつけながら、彼の後を追った。


「すみません、あんまん一つ下さい」


星野くんがそう言ったと同時に、彼を押しのける勢いで割って入り、あたしは店員さんと向き合った。


「いえ、やっぱりチャーシューまんでお願いします!」

「はぁ? あんまんだろ?」

「いい、チャーシューまん食べてみたかったから、やっぱりそっちにする!」


チャーシューまんは今あのケースの中にある肉まんの中で一番高いやつだ。

失礼な事言う星野くんには遠慮なんてしてあげない。