「浮田 真依子が困ってた様に見えたから俺が助けてやったんだろ!」
こっの……っ! 助けてやった、なんて……なんて恩着せがましいんだ!
「誰も頼んでないし、そもそも困ってなんかなかったし!」
古柳くんがわざわざ親切心を見せて、送ってくれそうとしてただけじゃん。
それをなんで困らなきゃなんないの。
「困ってただろ。周りキョロキョロして、明らかに誰かに助け求めてただろ!」
「あれは困ってたんじゃなくて……」
「じゃあ、なんだったんだよ」
言ってみろよ、と言わんばかりに星野くんは仁王立ちだ。
腕まで組んじゃって、あたしの前に立ちはだかってる。
だけど、あたしは言葉が詰まってしまったせいで、この後何も言えない。
いや、詰まらせてるのは自分自身。
むしろ言葉を吐き出さないように塞き止めてる。
だって。だって、あれはさ、星野くんを探してた訳だし……。
古柳くんは誰にでも優しいジェントルマン。
それは周りも言ってるくらいだから、間違いない。
だからあの優しさを勘違いしたりはしない。
けど、その優しさに乗っかってしまったら、君はまたイライラしちゃうでしょ?
あたしがホイホイついてく姿なんて見つけた日には、また口きかなくなっちゃうでしょ?
だからそれを避けようとしただけなのに……どうしてこうなるの?



