「夜道危ないし、誰もいないんだったら駅まで送るよ。ここで会ったのも何かの縁だし」
なんてね。なんて言って、古柳くんはちょっと笑った。
確かに縁を感じるほどの偶然じゃないよね。
お互い部活終わりなんだから、ここで出くわす可能性はあるわけだし。
でもそう言ってくれたのはきっとあたしが気を使わないようにする為だと思う。
古柳くんってば紳士的だ。
紳士男子っていいなぁー、なんて良く分からない事を考えながら「いいよ」って返信をしそうになったその時ーーあたしは突然腕を掴まれた。
「おい、俺と肉まん食って帰るって約束してたクセに置いてく気かよ」
ーーは?
って思ったと同時だった。
掴まれた腕をそのまま引っ張られて、あたしは引きずられるみたいに無理矢理歩かされた。
「古柳、またな!」
そう言って、ポカンとしている古柳くんに後ろ手で手を振ってる星野くん。
あたしはびっくりしてるせいで、静かに星野くんの横顔を見上げるしか出来なかった。



